ごあいさつ
私は、ヨーロッパに留学しておりましたが、そこで、ロシアのピアニストをはじめ、様々な国のピアニストやピアノ教師たちとの出会いがありました。(詳しくは私のウエブサイト「ピアノの時空」http://www.onoshinji.jp/をご参照ください。)
留学当初、自身の奏法に悩んでいましたが、ドミトリー・バシキーロフ、タチアナ・ニコラーエワ両氏(ロシア)との出会いに始まり、引き続きマイケル・ロール(イギリス)、キャサリン・ヴィッカース(カナダ)両氏のレッスンを受講したことで、そこには「倍音を多く含んだ色彩感に富んだ響き」、「合理的な奏法」というものが共通しており、ロシアピアニズムという範囲を超えた「現代ピアノ奏法」とでもいうべき一流の奏法があることを認識しました。
帰国しておよそ15年間、音大生を中心に専門教育を受けている生徒や学生、または演奏活動を行っているピアニストを対象とした、ピアノの指導者として尽力してまいりました。ピアノ教育を実践することはおのずと奏法の研究を深めることとなっていき、その奏法を子どもにも伝えるべきだと感じるようになり、ここに子どものためのピアノ教室を開設いたしました。
単なる習い事のひとつとしてではない本格的なレッスンを子どもに受けさせたいという考えを持たれている保護者の方々、またプロの演奏家を目指したいという希望をはぐくんでいる才能豊かな子どもも数多くいることと存じます。
子どもの習い事としてピアノはたいへんポピュラーで、子どもを対象としたピアノ教室はたくさんありますが、世界で通用するようなレヴェルのピアノ奏法を教授している教育環境はないに等しい状況です。昨年のショパン国際コンクールの結果も、先に挙げました「現代ピアノ奏法」がスタンダードとなっていることを物語っています。日本人はひとりも本選に進めなかったということは、今の日本のピアノ教育が世界的な水準からは遅れているということを示しています。私が長年かけて研究して参りました奏法、そしてその指導法が確立でき、才能のある子どもたちに対しても、早期からこの奏法での教育がようやくできると確信しています。
講師陣は全員私、及び1975年、第9回ショパン国際コンクール第2位のディーナ・ヨッフェ氏(ロシア/イスラエル)ほか海外のピアニストより直接指導を受けております優秀な人材です。幼少期より当教室で一流の奏法、音楽哲学を修得し、将来、世界に通用する素晴らしい演奏家として活躍することを心より願っています。
大野ピアノメソッド代表 大野 眞嗣